100万円 ≠ 200万円の50%OFF

たまに他ハウスメーカーさんと競合になると、

お客さんから見積もりを見させてもらうことがあります(笑)

そうすると、まあいつものことながら謎の値引き項目があるわけです。

今回は「お値引き協力¥950,000」でした。

一体何の値引き??

常識的に理由もなしに95万の値引きなんて出来ませんよ。

このカラクリは皆さんご存じの通り、95万円を正規の価格に上乗せしてるだけ。

なので95万円値引いても実際にはしっかり利益が出る計算。

(ほんとはもっと上乗せしてて95万円の値引きですめばラッキーOK)

お客さんも馬鹿ではないのでこれくらいのことは実は理解してる人が多いです。

(それでも値引きって嬉しく感じちゃうんですよね)


しかし

A社 見積もり価格 2,580万円

B社 通常2,980万円のところ 今だけ特別見積もり価格 2,580万円

と書かれると、どうしてもB社のほうがお得で魅力的に感じてしまう。

(二重価格表示は法律で禁止されています。値引きとなるとグレーなんでしょうね)

A社はお客さんのために正当な価格表示をしても

値引き表示をするB社のほうが

「大幅な値引きをしてくれる良い会社だ!」

と捉える人も少なくありません。

こんなやりきれない話はアメリカにもありまして・・・


アメリカの大手百貨店チェーンのJ.C.ペニー。

2012年にCEOに就任したロン・ジョンソンは割高に設定した定価を

値引いて販売し利益を上げる長年続いたこの方法を廃止した。

J.C.ペニーはクーポン配布やセールを頻繁に行い

お得感を醸し出すやや不当な値引き販売方法を繰り返してきた。

しかし値引き後の価格は競合他店とさほど変わらなかった。

そこへロン・ジョンソンがやってきて店の価格を「公明正大」なものにした。

クーポンをやめ値引きのカラクリも全て取り払った。

競合他店とほぼ同じ、以前の最終価格(値引き後の価格)である

実際の価格があるだけになった。


この新しい方式がお客さんにとって明快で親切であるとジョンソンは信じていた。

ところがJ.C.ペニーのお得意客たちは猛反発した。

値引きのカラクリが消え去った公明正大なはずの価格を受け入れなかったのだ。

クーポンやセールがなくなった、裏切られたと。

そして1年も経たないうちにJ.C.ペニーは1,000億円近い損失を出し、

ロン・ジョンソンは更迭された。


その後すぐにJ.C.ペニーは商品価格を60%以上も大幅値上げした。

そしてクーポンやセールも復活させた。

もちろん値引き後の価格は以前の価格とほとんど同じ。

しかしお客さんたちはそれを大歓迎した。

再び素晴らしいお値打ち価格を提供するJ.C.ペニーが戻ってきた、と。


ロン・ジョンソンは価格設定の心理学を理解していなかった。

だがJ.C.ペニーは最終的に

「価値を合理的に判断できないという人間の無能さ」を踏み台にして

ビジネスを構築することを学んだ。


この話からも分かるように人はとても値引きに弱いのです。

値引き後の価格が適正価格かどうかなどは関係なくて


「普段は高いものが安く買えた!」

「お得に買えて賢い買い物ができた!」


このあたりに強烈な満足感を得るのです。

これから住宅を購入しようとしている方、

大幅な値引きがあったら

「これは一体なんの値引きですか?」

と値引きの内訳や理由を聞いてみてください。

もの凄く曖昧な回答が返ってきますよ(笑)

Konstnar コンストナー

建築CGパースの制作、インテリアデザイン等の提案、アーキトレンドZERO操作指導、マニュアル販売、データ販売

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